
前回のコラムからすっかり間があいてしまいましたが、受講生の皆さんは着実に「読む」「調べる」「考える」「書く」といった力をつけてきました。
さて、2024年9月号は、広島の平和記念式典について書かれた記事を読んで、核兵器や戦争・平和に関する意見を述べる課題でした。
条件は以下の通りです。
■文字数は、350字以上600字以内とします。
■タイトル(なくてもよい)以外の全体を三段落とし、以下の構成で書くこと。
第一段落:記事の内容を簡潔にまとめなさい(要約)。
第二段落:2023年度の原爆資料館の訪問者が過去最高となった理由を考えて述べなさい。
第三段落:あなたは日本の核兵器の開発や保有(「使用」は今回含みません)に賛成ですか、反対ですか。理由とともに述べなさい。
■文章は敬体(です・ます調)でも常体(である調)でもかまいませんが、まぜないように書くこと。
第一段落の要約では、毎回、どこを削ってどこを残すかという選択に悩むことと思います。そうやって取捨選択の訓練を続けるなかで、自然と記事の大切なポイントが見えてくるようになります。
第二段落では、「広島サミット」の開催を挙げた作文が多かったのですが、同時に新型コロナが落ち着いて外国からの観光客が増えた点についても述べてほしかったところです。
第三段落については、基本的に核兵器の開発・保有には反対の意見が多数を占めました。ただ、日本は核兵器に代わる抑止力を持つ存在を開発すべきではといったユニークな意見もありました。
今回の追加課題は、「なぜ戦争は起こるのか」という深いテーマについて述べるものでした。人間の歴史を戦いの歴史ととらえる作文など興味深いものが少なくありませんでした。
(添削者)