添削者コラム(2023年5月号)

2023年5月号は、外国人の技能実習制度について新たな制度を作るという動きについての記事を読んで、それに関する意見を述べる課題でした。
条件は以下の通りです。

■文字数は、350字以上600字以内とします。
■タイトル(なくてもよい)以外の全体を三段落とし、以下の構成で書くこと。
第一段落:記事の内容を簡潔(かんけつ)にまとめる(要約する)
第二段落:これまでの外国人技能実習制度の問題点を「大人向けニュース」などから調べて書く
第三段落:二段落で書いた問題点の解決法を自分なりに考えて書く
■文章は敬体(です・ます調)でも常体(である調)でもかまいませんが、まぜないように書くこと。

第一段落については、要約する際にどこまで本文を切り取ってくるのか、あるいはどこまでまとめていくのか、という見極めが重要となってきます。単に元の文章の切り貼りにならないように気をつける必要があります。
第二段落については、しっかりと調べて書いてくれた作文はやはり読みがいがあるなと感じました。時間制限のない課題ですから、そうした下調べの手間を省かないことが大切です。
第三段落は、具体性がポイントとなりました。「現在の問題点を解決するための法整備」だけだとやはり不十分な印象は否めません。

今回の追加課題は「外国人労働者が増えることについての意見」を根拠を示しつつ述べるものでしたが、かなり苦労した様子がうかがえました。課題作文としては、自分の主張だけでなく「根拠」「理由」をはっきりと示すことが大切です。逆にいえば、何らかのテストにおいては、ディベートの練習のように、それらが明確な意見の方を選択するという手段も取ることができますね。

(添削者)