2020年7月号優秀作品その1(6年生Oさん)


IOCは、安全かつ持続可能なオリンピック・パラリンピックにするため、大会を簡素化する方針だ。費用を最小化し同時に選手や観客、ボランティアにとって安心できる環境を提供するため、参加する人数をすべての分野で減らすよう要請している。またコロナ対策を徹底し来年3月からテスト大会や聖火リレーを始めたいとしている。

IOCのこの方針は妥当だと思う。コロナの影響で国の財政が逼迫しているからだ。ワクチンの開発や医療体制への支援は勿論、経営の苦しい企業への援助や国民への交付金の支給などを厳しい予算でやりくりしている。支出は少しでも減らしたいだろう。もう1つの理由として、コロナ犠牲者の遺族や経営が大変で今後の見通しがつかない人、自粛生活で疲れ果ててしまった人などが、派手なオリンピックを楽しめるのかということもある。そんなことにお金をかけるのなら生活の支援に回して欲しいと思うのではないか。

かと言ってやめてしまえば良いという訳ではない。この大会はアスリートにとって人生の目標であり、次へのステップとなる大きな舞台だからだ。また、素晴らしい結果を出す選手は観客を魅了し、チームの団結は心を打つ。感動は生きる力を生み出す。オリンピック・パラリンピックはそのような場であるべきだと思う。その為には選手の実力が発揮できる体制を整えるのが、開催国の一番の務めではないだろうか。つまりコロナ対策を徹底することが、開催の最低限のラインだろう。

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(添削者から)
小学生レベル以上の語彙を駆使しての、大人っぽい文章です。
特に短文の連続が小気味よい、素晴らしい作文でした。

★なお、受講生が増えたため、今月から優秀作文を数作品ご紹介していきます。紹介順序は、掲載許可が取れた順です。(今月のOさんは、先月の優秀作品の受講生とイニシャルが同じですが、別人です)