提出された作文でよく見かける誤った言葉の使い方の代表に、「たり」があります。
今月も散見されました。
以下のような使い方です。
(誤)
新型コロナウイルスによって、お店を開けることができなくなったり、開店時間を短縮しなければならなくなった。
一見、意味は通るのですが、これは誤用です。
というのは、複数のものごとを並べる意味で使う場合の「たり」は、「~たり、~たり」と連続して使わなければならないからです。
正しく書き換えてみると、以下のようになります。
(正)
新型コロナウイルスによって、お店を開けることができなくなったり、開店時間を短縮したりしなければならなくなった。
ただし、これがすべてではありません。
「たり」には、ひとつしか使わない例示的な用法もあります。
(例)
雨だったので、一日中絵を描いたりして過ごした。
これは正しい用法です。
「絵を描く」という例をあげて他のことを同時に暗示させる使い方で、上の「並列」とは異なります。
いずれにしても、小学生がひとりで作文を書いているだけでは気がつきにくいポイントで、ここに「添削」の重要性が出てきます。
(添削者)