2020年4月号優秀作品(6年生H君) 


桜を楽しむお花見は日本古来の風習で、平安時代からの長い間、春の風物詩として、親しまれ愛されてきました。そんなお花見の名所の東京上野では「上野桜まつり」が例年なら開かれますが、今年は新型コロナウイルス感染防止のため、中止となってしまいました。主催者の上野観光連盟の二木忠男会長は、「周辺の活気が、失われないか心配だ」と、人一倍、不安そうに語っています。

桜がこんなに愛されている理由は一つではないと思います。まず、都心部にも美しく咲いているという事です。たとえば、目黒区には毎年320万人が桜を見に訪れます。次に、多くの人から親しまれていて、日本の生活や、文化になじんでいることもその理由のひとつです。「花が空間を生かし、空間が花を生かす」つまり、桜とその周りの空間は互いに引き立て合うものとして存在している。いわば桜は、日本の春を代表する花だと言っていいと思います。

もしかすると、10年後、20年後にはお花見がもっと変化しているかもしれません。私個人の意見ですが、このまま変わらないで欲しいと思います。平安時代から人から人へと受け継がれてきたのに、今ここで勝手に途切れさせてはいけない気がします。そんなお花見も桜の花を大切にしてきた先祖のおかげです。これからも、昔からある大切な植物として、桜を大切に楽しんでいきたいと思いました。

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(添削者から)
構成や具体例の用い方など基本のしっかりした作文です。
また、「花が空間を生かし、空間が花を生かす」といった言葉の選択にもセンスを感じました。