添削者コラム(2020年4月号)


4月号のテーマは、新型コロナウイルスに関連させた「お花見」についてでした。
読んでもらった記事は、新型コロナウイルスによって「お花見」が自粛されたという内容でしたが、そこからお花見という日本の伝統行事・文化について考えてもらいたいと出題したものです。

ほとんどの作文で、日本でのお花見の起源について触れてくれていましたが、そこには「調べる」という行為が欠かせません。
こうしたオンラインでの添削ですから、WEB検索は容易です。
ただ、そのまま切り取ってくるのではなく、どの部分をどう用いるかがポイントで、それぞれの工夫が試されました。

また、私たちの生活や文化に踏み込んで「お花見」をとらえる視点を期待していましたが、今回は緊急事態宣言下という特殊な状況もあり、そこに到達するものが少なかったのが残念です。
実際に、私たち日本人がいかに桜を愛してきたかについては、多くの唱歌や詩歌に桜が題材とされていることからも明らかですね。
そうしたものを引用しながら論を展開してもよかったかもしれません。

さて、数人の受講生には課題として投げかけましたが、「新しいお花見」の可能性も考えられます。
インターネットの発達で、必ずしも現地に行かなくとも桜を愛でることが可能になりました。
現在の状況や国際化を踏まえて、そうした提案を含めるとよりよい作文となったことでしょう。
今月もより素晴らしい文章と出会えることを楽しみにしています。

(添削者)